日本人留学生がいま、メキシコを選ぶ理由。

日本人学生の本音とは

中南米で“日本人留学生が最も集まる国”メキシコ。その理由を知るため、実際にメキシコで学ぶ日本人学生に話を聞いてみました!メキシコやラテンアメリカを「学ぶ」ことの魅力や、日墨関係をこれからつないでいく留学生の思いをご紹介します。
スペイン語を学んでも使う場所がない…そんな悩みを抱える方、そして「メキシコ留学って危ないの?」という不安にも、現地学生の本音でお答えします。

目次

🌸プロフィール

メキシコの国立大学 UNAM 付属の語学学校 CEPE に通うかのさん
日墨パートナーシップ協定 52期生
大学では 外国語学部 イスパニア語学科 で勉強中🎓

1. 日本人留学生が語る「メキシコを選ぶ理由」



Q メキシコを選んだ理由、学びたいと思ったきっかけを教えてください!
メキシコと聞くと陽気なイメージがありますが、同時にメキシコ社会には複雑な問題も多い。そうした現実に触れながら、自分だけの経験を積みたいと思ったからです。
スペイン語学習についても、特別なきっかけはありません。ただ、日本では画面越しにしか知らない世界を、現地で直接知りたいという好奇心がありました。
ラテンアメリカの国々をステレオタイプで見るのではなく、自分の目で一つ一つ向き合いたいと思っています。

2.「紙の勉強」が通用しない!?メキシコ留学で実感した、自分の意見を伝えるためのスペイン語術

「日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画」に合格し、初めての海外留学としてメキシコを選んだかのさん✨学校生活や勉強面について詳しく聞きました。

Q  メキシコは「治安が心配」というイメージがありますが、ご家族の反対はありませんでしたか?
最初にメキシコ留学に行きたいと伝えたときは、家族もかなり驚いていました。母は特に治安面を心配し、父からは正直に反対されました。
そこで、メキシコ留学のメリットや、なぜ自分がメキシコで学びたいのかを時間をかけて説明しました(笑)。
最終的には、自分たちの心配よりも私のやりたいことを尊重してくれた両親には、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

Q 学校生活や授業の様子について教えてください!
現在、UNAM(メキシコ国立自治大学)が運営するCEPEという語学学校で学んでおり、多国籍の学生たちと交流しながら、スペイン語とメキシコ文化を中心に勉強しています。
授業は10人ほどの少人数クラスで、アジア出身の学生も多く、発言しやすい雰囲気です。
友人たちとの日常的な会話を通して、メキシコだけでなく他国の文化や価値観に触れることができ、とても充実した学生生活を送っています。

Q  学生生活で一番大変なこと・楽しいことははなんですか?
一番大変なのは、メキシコ特有のスペイン語の響きや言い回しに慣れることです。多様な語彙や、現地の人が使う細かいニュアンスを完全に理解するのには、今でも日々苦戦しています。
一方で、一番の楽しみは、そうやって必死に学んだ言葉を「自分の言葉」として自然に発せられるようになった瞬間です。
「紙の上」で暗記しただけの知識が、現地の人との会話の中で生きた言葉として通じ、意思疎通ができた時の喜びは何物にも代えられません。

💡 ここが面白い!スペイン語の豆知識
スペイン語と一概に言っても、国や地域によって話し方や表現はさまざま。 使う単語そのものが全く違う意味になることもあるんです!

例)「Novia / Novio(ノビア / ノビオ)」の場合
   メキシコでは… 「彼女 / 彼氏」という一般的なカップルの呼び方。
   チリでは… 「婚約者💍」という意味に!

うっかり使うと、相手を驚かせてしまいます。日本で学んだ基礎が、現地のリアルな表現と出会ってアップデートされていく。そんな「違い」を発見できるのも、留学ならではの醍醐味です🌈

3.メキシコ生活での発見:時間・感性・価値観の違いに触れる日々

Q メキシコ生活にはすぐ慣れましたか?
1ヶ月ほどで慣れましたが、未だに慣れないこともたくさんあります。 特におもしろいのが「食事の回数」です。メキシコ人は、朝、昼前、午後3時、夕食……と1日5回くらい食べている印象です。
また、「カミオン(バス)」が難敵です。停留所や時刻表という概念がないので、スペイン語ができないと乗りこなすのが難しいです。
ただ、無理にすぐ慣れようとせず、経験だと思って少しずつ挑戦しています。

Q 気になる「治安」のリアルは?
「対策をしていれば安心して暮らせる、でも無頓着だと危険」というのが実感です。過剰に怯える必要はないけれど、日本と同じ感覚でいるのはNG。自分を守る意識が大切です。
具体的には、以下の3点は徹底して心がけています。
・周囲を常に警戒する
・夜中に一人で出歩かない(夜間の移動は必ず配車アプリなどを活用する)
・自分の持ち物から絶対に目を離さない(カフェやレストランでも日本のように席に置いたままにしない)

Q 学生として、メキシコでの生活はどうですか?
メキシコでの学生生活は、授業や友達との交流も含めて楽しく過ごせています。
物価は日本とあまり変わらず、生活必需品は手頃に揃うので、暮らしやすいと感じます。ただ、街中に美味しそうな食べ物が多くて、つい誘惑に負けてしまうこともあります(笑)。

Q 現地でメキシコ人と接して、何か「発見」はありましたか?
「なぜメキシコ人は時間にルーズだと言われるのか」など、いわゆるステレオタイプなイメージの理由が、現地で一緒に過ごす中で理解できました(笑)。
それは単に時間を守らないのではなく、彼らの「時間のとらえ方」や「感性の違い」だったんです。
何を優先し、何を大切にするかという根本的な「価値観の違い」を実感することが多く、自分とは違った物事の考えを知ることができるので、今も毎日が刺激的です。

4. 将来のビジョン:メキシコでの経験をどう生かす?

メキシコ国旗

Q 学んだことを将来どのように生かしたいですか?
「日本人としてメキシコで学んだ」という経験を持つ人は、決して多くありません。だからこそ、日本とメキシコという2つの視点を持てることは大きな強みだと思っています。
将来的には、この多様なバックグラウンドを生かし、自分にしかできない視点で意見を発信できる人間になりたいです。

Q これからメキシコ留学を目指す人にメッセージを!
「何も怖がることはない」と伝えたいです。 確かに日本とは異なることばかりで、正直大変なこともあります。 
私自身、メキシコシティの標高の高さや慣れない食べ物で、体調を崩してしまいました。しかし、そういった失敗や苦労も含めて、すべてが「確かな経験」と「圧倒的な成長」の機会になります。
難しく考えすぎず、まずはその世界に飛び込んでみてください!

5. まとめ:海外経験0からメキシコへ

 今回インタビューに応じてくれたかのさんは、メキシコ留学の魅力を「成長の機会の宝庫」と語ります✨日本とは異なる文化圏での生活は、言語や習慣の違いに戸惑うこともありますが、自然と周囲の環境や人々から学びを得る日々です。
 メキシコは、発展した現代的な側面を持ちながら、日本ではなかなか見ることのない厳しい社会問題が日常に存在する社会です。陽気で多様な文化、美しい街並み、人々の温かさに触れながら、メキシコやラテンアメリカ諸国が抱える社会課題に日本人として本気で向き合うための視点や思いが、日々の生活の中で育まれていきます。
 そうしたメキシコでの気づきは、日本と他国をつなぎ、国と国とが支え合いながら生きていくための「橋」となるような役割を果たしていく―その意識が、ごく自然に芽生えていくのです。メキシコ留学を通した挑戦と発見の連続は、多くの人にとってかけがえのない成長の舞台になるでしょう。
 ぜひ、スペイン語学習やメキシコ生活に興味がある方は、異なる価値観や現実に触れながら、自分の視点を広げる経験として、メキシコ留学を検討してみてください✨



NEXLYって?

未来へとつながる、まだ見ぬ物語を。 Nexly(ネクスリー)は、「未来へのステップ」を意味する“Next”と、「人や情報をつなぐ」“Link”を組み合わせた、アメリカ・中南米に特化した総合情報プラットフォームです。旅先での出会い、現地での暮らし、キャリアの選択。世界のどこかで生まれる、小さなきっかけを大切に、今をつなぎ、未来をひらく情報を発信しています。現地に根差した日本語メディアと提携し、確かなニュースや地域情報を厳選。さらに、Nexly独自の現地取材によるレポートや特集記事も展開し、中南米のリアルな今を、より豊かに、立体的に伝えていきます。
詳細はこちら▶︎

Related post

Comment

There are no comment yet.

Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial