【2025年最新】メキシコ世界遺産の街・グアナファト&サンミゲルを巡る|ピピラの丘の夜景と必見スポット 

雨に濡れた石畳が街灯を返し、黄色い大聖堂が夜の青に浮かび上がる——。

メキシコ中央高原には、グアナファトをはじめ、サンミゲル・デ・アジェンデやケレタロといった世界遺産都市が点在しています。今回は、それらを1泊2日で効率よく巡るツアーに参加し、その魅力を取材してきました!旅の中心となるのは、1988年にユネスコ世界遺産に登録されたグアナファト。カラフルな街並みと鉱山都市としての歴史が今も息づき、訪れる人を魅了します。



目次

サンミゲル・デ・アジェンデ観光|世界遺産の街歩きとおすすめスポット

メキシコシティから車で約3.5時間。最初に訪れたのは、コロニアル建築の宝石箱のような街、サンミゲル・デ・アジェンデ。 2008年には「サン・ミゲルの要塞都市とヘスス・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地」として世界遺産に登録されました。

クイズ:アジェンデの由来は?
「サンミゲル・デ・アジェンデ」の“アジェンデ”は誰の名前?

A. メキシコ独立戦争の英雄
B. 最初にこの地を開拓した司祭
C. 伝説の守護天使



正解はA。 19世紀の独立戦争を率いたイグナシオ・アジェンデ将軍に由来します。“アジェンデ=独立の英雄”と知ると、街歩きが単なる散策から史跡ハントに変わるから不思議です。 朝早くの移動で少しうとうとしていると、急に車が停止。ガイドさんの計らいで街を一望できる高台に立ち寄りました。爽やかな風に吹かれながら見下ろすカラフルな街並みは、長旅の疲れを一気に吹き飛ばしてくれます。

サンミゲル・デ・アジェンデの街並み

後ほど間近で見る教会の尖塔がどこにあるか、ぜひ探してみてください。一度街を歩いた後でこの景色を思い出すと、位置関係がすっと頭に入ってくるはずです。

パロキア・デ・サン・ミゲル・アルカンヘル(ネオ・ゴシックの尖塔)

街のシンボルは、天を突くようにそびえるパロキア・デ・サン・ミゲル・アルカンヘル(Parroquia de San Miguel Arcángel)。

パロキア・デ・サン・ミゲル・アルカンヘル

この印象的なファサード(正面部分)は、19世紀に地元の石工ゼフェリーノ・グティエレスが、 ヨーロッパの教会の絵葉書を参考に独創的な解釈で作り上げた“ネオ・ゴシック風”建築です。 精緻なゴシック様式とは一味違う、ここにしかない情熱的な造形美に圧倒されます。

サンフランシスコ教会(後期バロックの装飾美)

少し歩くと、今度はサンフランシスコ教会(Templo de San Francisco)が見えてきます。

サンフランシスコ教会

こちらはパロキアとは対照的に、後期バロック(チュリゲラ様式)の華やかな立面が特徴。 パロキアの“尖塔が創り出す垂直性”に対して、こちらは“装飾の密度”で見る者を魅了します。 様式の違う美しい教会が隣接しているのも、この街の奥深さですね。

モレ(mole)ランチ体験:相場と味のポイント

お昼は、旧市街のレストランでメキシコ料理の代表格「モレ」を体験。

モレ

チキンとトルティーヤに絡む複雑なソースは、“甘み → 辛味 → カカオの香り”と変化する味の三重奏。 観光地価格(300~500ペソ=約2,400~4,000円)ではありますが、旅を彩る一皿として強く印象に残りました。

グアナファト観光モデルコース|街歩き・市場・夜景の楽しみ方

サンミゲルから約1.5時間で、本日のハイライト・グアナファトへ。まずはホテル「Misión Guanajuato」にチェックイン。17世紀の荘園跡地に隣接した、緑豊かで落ち着いた雰囲気の宿です。

グアナファト ホテル

市内に入ると雨が降り出しましたが、濡れた石畳が街灯を鏡のように反射し、街の色彩が一層深みを増していきます。

ユニオン公園&フアレス劇場

街の中心、ユニオン公園周辺へ。雨の中、ガイドさんが持ってきてくれた傘をさしてまず初めに訪れたのはフアレス劇場(Teatro Juárez)。

フアレス劇場

ギリシャ神殿のような外観は新古典主義、一歩足を踏み入れるとアラビア風の内装(ムーリッシュ様式)が広がるという、劇的なギャップが魅力。中南米最大級の国際芸術祭「セルバンティーノ」のメイン会場でもあり、夜のライトアップは格別の美しさです。

雨の勢いはだんだんと増してきましたが、ツアーはまだ始まったばかり。フアレス劇場を眺めていると、現地の日本人ガイドの方が次に連れて行ってくれたのはメキシコの瀬戸物屋さんともいうべき、幾何的模様が特徴の陶器を売っているお店でした。

瀬戸物屋さん

暖かい黄色をメインにしたその空間は雨で冷えた体に染み渡ります。値段は基本的には最低でも500ペソ(約4,000円)からと値段はかなり高いですが、鑑賞するだけでも満足度は高かったです。

グアナファトの地下トンネル|迷宮の都市構造

グアナファトの街をゆっくりと噛み締めながら歩いていると、ふと気がついたことが。 グアナファトの街って、まるで迷路! 地上は入り組んだ路地が毛細血管のように伸び、そして地下のトンネルも同様、幾つもの十字路や分岐が連続し、吹き抜け区間では採光が輪郭を描き、奥はアーチの連なりへ。

クイズ:グアナファト地下道が作られた理由は?

A. 洪水対策
B. 鉱山の落盤対策
C. 秘密の交易路



正解はA。  低地の浸水対策としてアーチ状トンネルを整備。 この地下道、もともとは頻繁に起こっていた洪水への対策として建設されたのが起源だそうです。 アーチが連なるトンネルに車のヘッドライトが差し込み、壁面に光と影の輪郭を描く様子は、まさに非日常の光景。 足音が反響する中を少し歩くだけで、この街の成り立ちを体感できます。

メルカド・イダルゴ:駅舎風マーケットでローカルを覗く(お土産・食堂)

日が暮れかける頃、私たちはメルカド・イダルゴ(Mercado Hidalgo)へ向かいました。 一説には鉄道駅として設計されたと言われるこの建物は、鉄骨のアーチ(ボールト)と中央の四面時計が特徴的な、 さながら産業遺産のようなデザイン。中には果物や雑貨、食堂がひしめき合い、活気と様々な匂いに満ちています。 (※夕方は閉まる店も多いので、お土産探しは日中がおすすめです)

ロマンチックな伝説が残る「口づけの小道」(Callejón del Beso)

一通り市場を見学した後、続いて訪れたのは、口づけの小道(Callejón del Beso)。 向かい合うバルコニーの幅が、わずか約69cmしかない細い路地です。身分違いの恋人たちの悲しい物語が伝わり、 「ここでキスを交わしたカップルは永遠に結ばれる」という言い伝えから、記念撮影の行列が絶えない人気スポットです。 物語を持つ場所は、ただ写真を撮る以上に、心に残る“体験”になりますね。

ピピラの丘:ケーブルカーで狙う“薄暮→夜景”のマジックタイム

ツアー1日目の大トリは、もちろんピピラの丘(Monumento al Pípila)。 ピピラの丘へ登るために歩いていると、ものすごく綺麗にライトアップされた バシリカ・コレヒアータ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デ・グアナファト(Basílica Colegiata de Nuestra Señora de Guanajuato)が目に飛び込んできました。 一際大きな存在感を放つ17世紀に建てられたこの大聖堂は、薄暮の青い空と赤いドームの対比が実に見事。 雨上がりの路面が、その色彩を美しく映し出しています。

ピピラの丘

ゴンドラに乗り込んだ時には、すでに太陽は山の中に姿を消し、雨がしとしとと降り注いでいました。 ケーブルカーが高度を上げるにつれ、眼下に広がる街並みに期待が高まります。丘の上はひんやりと澄んだ空気。 束の間の雨上がりの空気が街の輪郭をクリアにし、家々の灯りが燦然と輝く星々のようで、 自分自身は銀河の中心に放り出された、そんな形容し難い感覚が身を包みました。

ゲーブルカーからの景色

空が紺色から漆黒へと変わる“マジックアワー”のグラデーションは、まさに絶景で、 その漆黒の空に轟く雷が、街を紫色に染め上げていました。 鬱陶しい雨があってこそ、この街は新しい色を持つんだな、そう実感した瞬間です。

ケレタロ観光|水道橋(アクエダクト)の絶景と街のスケール

翌朝は再びグアナファト旧市街へ。前日の雨模様とは違い、この日は晴天。街は全く別の表情を見せ、雨の日と晴れの日で二度楽しめることを実感しました。
その後、車に揺られて3時間。ケレタロに到着すると、街のスケールを一気に感じさせるのが水道橋(アクエダクト)。 遠望でもアーチが連なっていくのが分かり、乾いた石の色が空の青にくっきり映えます。 18世紀に整備された長大な水路で、70余りのアーチが1km強にわたり連続する景観は圧巻です(建設の背景には慈善や思慕にまつわる逸話も伝わります)。 今回は遠くからの鑑賞でしたが、“街を潤すための大工事”という文脈を知って眺めるだけでも、写真以上の迫力がありました。 その後、車はメキシコシティへ。午後4時前、小雨が降る中で到着し、1泊2日の旅は幕を閉じました。 現地で歩き、見て、感じたからこそ、世界遺産都市の価値を実感できた時間になりました。

メキシコ世界遺産旅行の実用情報まとめ|服装・移動時間・持ち物・注意点

ツアー参加前に知っておくと安心なポイントをまとめました。

グアナファトの街並み

🚗移動時間:
・メキシコシティ → サンミゲル・デ・アジェンデ:約3.5時間
・サンミゲル・デ・アジェンデ → グアナファト:約1.5時間
※道路状況により変動します。

⛰️標高と体調管理:
グアナファトの標高は約2,000m。高地に慣れていない方は、意識的に休憩と水分補給を心がけましょう。

👚おすすめの服装(雨季):
メキシコの雨季(例年5月〜10月頃)は、急な雨に備えて撥水性のあるジャケットや折り畳み傘が必須。石畳は滑りやすいので、歩き慣れた滑りにくい靴を選びましょう。

👛支払いについて:
レストランや大きなお土産店ではカードが使えますが、市場や屋台、トイレチップなどでは**現金(メキシコ・ペソ)**が重宝します。少額紙幣や硬貨を用意しておくとスムーズです。

🎭フアレス劇場の見学:
劇場の内部見学は、開館時間やイベントの有無によって左右されます。見学を希望する場合は、ツアーの自由時間と照らし合わせて事前に確認しておくと良いでしょう。

HISツアーで効率よく世界遺産を巡ろう|旅のまとめ

街並み 街並み

今回ご紹介した旅は、HISの「【4つの世界遺産紀行】1泊2日グアナファト・サンミゲル&ケレタロ グアナファト現地日本語ガイド付」を利用して実際に体験したものです。

✅メキシコシティからの往復送迎付き
✅日本語ガイド同行で歴史や街の魅力をしっかり解説
✅ 厳選ホテルで安心の宿泊

効率よく、そして安心して世界遺産の街を巡れるのは、ツアーならでは。ぜひHISの公式サイトから詳細をチェックして、次の旅の一歩を踏み出してみてください!
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