ロサンゼルス・ダウンタウンに店を構える Philippe’s(フィリップス)。1908年の創業以来、「フレンチディップサンドイッチ」発祥の地として100年以上愛されてきた老舗です。現在の店舗は1951年から続く歴史ある場所で、今ではドジャースファンが集う定番スポット に。一方で日本人旅行者には意外とまだ知られていない隠れたグルメ名所。今回は、オーナーのアンドリューさんに独占インタビューを行い、創業秘話からドジャースとのつながり、そして厨房で守られる伝統までたっぷり語っていただきました!
フィリップスとは?|フレンチディップ発祥のロサンゼルス老舗

フィリップスのオーナー・アンドリューさん。老舗の味と伝統を支え続けています
Q: まず最初に、Philippe’s創業のストーリーを教えてください。
アンドリューさん: 創業は1908年です。創業者のフィリップ・マチューは当時3つのレストランを経営していましたが、現在残っているのはこの1店舗のみです。もともとはフレンチデリで、その時代のメニューの多くを今でも受け継いでいます。
Q: フレンチディップサンドイッチはどのように生まれたのですか?
アンドリューさん: 1918年に偶然誕生しました。パンが肉汁に落ちてしまったのですが、それを食べたお客様が気に入り「また作ってほしい」とリクエストされたのです。以来、肉汁に浸したサンドイッチを求める人が増え、看板メニューとなりました。現在の場所には1951年に移転。ハリウッドフリーウェイ建設のため旧店舗を離れ、そこから70年以上、今の地で営業を続けています。

ドジャースファンに愛される理由と人気の秘密
Q: どのようにしてドジャースファンに人気の店になったのですか?試合当日の雰囲気も教えてください。
アンドリューさん: 立地の影響が大きかったと思います。ドジャースがブルックリンからロサンゼルスに移転した当初、本拠地はロサンゼルス・メモリアル・コロシアムでした。私たちはその頃からずっとこの場所にあり、自然とファンが集まるスポットになったのです。今では試合の前後に帽子やユニフォーム姿のファンが集まる、とても楽しい雰囲気の店になっています。開幕戦やプレーオフになると3〜6時間も前から来店されるお客様もいて、店内は笑顔とお祝いムードに包まれます。スタッフもユニフォームを着たり風船を飾ったりして盛り上げ、チームが勝っている時はお客様と一緒に喜びを分かち合っています。

試合前のドジャースファンで賑わう店内。観戦前の腹ごしらえに最適
ドジャース選手の来店エピソード
Q: ドジャースの選手が来店されたことはありますか?
アンドリューさん: 以前はよく来てくれていましたが、スマホで写真を撮られることが多くなったため、最近は減りました。最後に来てくれたのはキケ・ヘルナンデス選手とジャスティン・ターナー選手です。ターナー選手が来店されたときにはサイン会も行い、楽しいイベントになりました。現在ではスタジアムから直接オーダーが入り、料理を届けることも多いですね。

ドジャースグッズや歴史的アイテムのコレクションを紹介してくれるアンドリューさん
厨房の裏側|100年以上続く伝統の調理法



フィリップスの厨房では、代々受け継がれてきた調理法が今も守られています。ストックは野菜や骨、スパイスを一晩煮込み、さらに玉ねぎの皮やセロリの茎も加えて旨みを引き出し、サンドイッチの味のベースとなります。試合のある日は25ポンド(約11kg)の肉を40〜50個仕込み、その煮汁を煮詰めて翌日のディップソースに使用。パンを上下とも肉汁に浸す「ダブルディップ」は特に人気です。 さらに、ビーツサラダのジュースで漬けた紫色のピクルスエッグは、見た目のインパクトもあり定番のサイドメニューに。そして、料理だけでなく接客スタイルにも創業当時からのこだわりが。注文から調理、会計まで同じスタッフが担当し、客が自分で席を探すセルフ形式も創業当時からのやり方。効率化が進む現代では珍しいですが、「これこそがフィリップスらしさ」と大切に守り続けています。

注文から提供まで一人のスタッフが担当するセルフスタイル。奥には名物の紫色ピクルスエッグ
アクセス

フィリップス
📍住所: 1001 N Alameda St, Los Angeles, CA 90012
🚉最寄り駅: Union Station(ユニオンステーション)から徒歩約5分
🅿️駐車場: 無料駐車場あり(週末や試合日は混雑)
観戦と合わせて楽しむなら
✅ドジャースのホームゲーム当日は数時間前から混雑必至
✅試合前に立ち寄るなら早めの時間帯がおすすめ
✅勝利後に訪れれば、ファン同士の熱気を間近で感じられます
まとめ|日本人旅行者におすすめ!ロサンゼルスの穴場グルメ「フィリップス」

ムーキー・ベッツ選手が描かれた店外のウォールアート
フィリップスは、創業から100年以上にわたり伝統を守り続けるロサンゼルスの名店。地元の人々やドジャースファンにとっては定番ですが、日本人旅行者にはまだあまり知られていません。ロサンゼルス観光やドジャース観戦の合間に、「本場のフレンチディップ」と熱気あるファンの雰囲気をぜひ体験してみてください。最後に、インタビューに応じてくださったアンドリューさん、ありがとうございました!
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